現代版 桃太郎

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが原宿に住んでいました。

おじいさんは竹下通りにしばかりに、おばあさんは渋谷川へ洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。

「ちょ、、、、、、、、ガチ?」

おばあさんは大きな桃をひろいあげて、家に持ち帰りました。

そして、おじいさんとおばあさんが桃を食べようと桃を切ってみると、なんと中からチャラついた金髪の赤ちゃんが飛び出してきました。

「ちょ、、、、、これは神さまがくださったにちがいない」

子どものいなかったおじいさんとおばあさんは、大喜びです。

桃から生まれたギャル男を、おじいさんとおばあさんは桃太郎と名付けました。
桃太郎はスクスク育って、やがて原宿一の有名なギャル男になりました。

そしてある日、桃太郎が言いました。

「あのさ〜、俺さ〜、鬼ヶ島行ってさ〜、ふざけきった鬼どもいっちょかましてくるわ〜」

おばあさんにきび団子を作ってもらうと、鬼ヶ島へ出かけました。

山手線の車内で、イヌに出会いました。

「お、桃太郎さんじゃないっすか、どっか行くんすか?つーか、飲みいきましょうよ。うぇいうぇい。」

「わりぃ、鬼ヶ島へ、クソ鬼退治行ってくるわ」

「マジっすかwww 腰に付けたきび団子を1つくれたら、俺も付いていきますよww」

イヌはきび団子をもらい、桃太郎のおともになりました。

そして、こんどは駅地下のデパートでサルに出会いました。

「桃太郎さんじゃないっすか!またザギンでシースーっすか?」

「ばかw 金ねぇわw 鬼退治するやで」

「マジすかww なんかあったんすかw つーか、腰に付けたきび団子を1つくださいよ、朝から何も食ってないんすよ。くれたらおともしますよ」

そして今度は、スタバでキジに出会いました。

「うぇ〜い!桃太郎じゃん!久しぶり〜!なになう?」

「キジちゃん〜久しぶりちょりーす! 鬼ヶ島行くなう〜」

「なにそれww ちょーウケるww え、じゃあ、腰に付けたきび団子くれたら俺も行くわ!20時からバイトあるけどそれまで暇やし!」

こうして、イヌ、サル、キジの仲間を手に入れた桃太郎は、ついに鬼ヶ島へやってきました。

鬼ヶ島では、鬼たちが近くの村からぬすんだフェラーリを乗り回し、シャンパンとウォッカで3次会の真っ最中です。

「マジ楽しそうやけど、お前らビビんなよ!やっちまいな!」

イヌはバットでフェラーリの窓ガラスを割り、サルは鬼との飲み比べで勝利し、キジはとりあえずウェイウェイやってました。

そして桃太郎も、有り余るほどの金で賄賂を渡しまくっていました。

とうとう鬼の親分が、

「おーけーおーけー、せいせいせい。おめーらの方がガチ強だわ。降参なう。」

と、手をついてあやまりました。

桃太郎とイヌとサルとキジは、鬼から取り上げた日本酒をフェラーリにつんで、原宿に帰りました。

おじいさんとおばあさんは、桃太郎の無事な姿を見て大喜びです。

そして三人は、フェラーリを乗り回し、浴びるほどの酒を飲みながら幸せにくらしましたとさ。

おしまい。